中退共と特退共
中退共と特退共のどちらに加入するかを調べる機会があったので、自分の覚書の意味を含めてアップしてみたいと思います。なお、所員の覚書ですので、事務所の方針などの介入は一切ありません。何かしらの参考にして頂ければ幸いです。
運営はどこ?
特退共:27年度4月現在では一般財団法人全国中小企業共済財団(全共済)が生命保険会社と締結した「新企業年金保険契約」に基づき運営。保険会社は大同生命92.17%、住友生命3.12%他5社(京都)26年4月時点
※ 中退共は国の制度であることから安心感があります。対して、特退共は生命保険会社に不測の事態が起こった際には影響があるかもしれません。
このあたりは国だから大丈夫とは言えない状況もありますので何ともいえませんね。
目的は?
掛金については?
特退共:全額事業主負担 月額1,000円~月額30,000円 増額変更、 減額変更は加入対象の従業員の同意が必要、その他正当な理由があると認められるとき
※掛け金については1,000円からはじめれる特退共の方がメリットがあるように見えますが20年間かけても27年4月現在253,700円の給付です。この額が退職金と呼べるかどうか・・・。会社が補完するならわかりますが、これだけを退職金と呼ぶには無理があるように思います。恐らくパートさんなどに向けた金額設定なのでしょうか。中退共にも短時間労働者向けに2,000円からの掛金が設定できます。
掛金の支払
特退共:特退共に加盟する加盟団体を通じて1回目の支払をし、2回目以降は口座振替にて納付
加入条件
特退共:満15歳以上、70歳未満の従業員とし、全従業員を加入させること。
※ 中退共は従業員数や資本金額等で制限されているので、あくまでも中小企業向けの制度感が強いです。特退共はそういった制限が無いようです。
退職金の給付については?
給付額については、掛金納付が1年未満では支給されません。1年以上2年未満は元本割れ、2年以上3年6ヶ月は元本相当額が支給されます。3年7ヶ月以上で元本を上回ります。
特退共:従業員に直接支払われます。同じく一時払い又は年金形式を選べます。退職の理由も中退共と同様で懲戒解雇や行方不明であっても従業員に支給されます。
1年未満でも支給されます。その後は18年目まで元本割れが続き、19年目より元本を上回る金額が支給されます。
結局どっちがよさそう?
特退共は元本を上回るまでに長期間を要しますが、その代わり1年未満でも支給されますし、1年以上2年未満でも元本の約95%が支給されます。
国なので安心、生保会社の運営なので心配といった理由は私にはあまり感じません。どちらも相応のリスクと思いました。私の意見を求められたときのベースとなるポイントは
従業員が長期間にわたり勤務するような会社は中退共をお勧めします。
従業員が比較的短期間に入れ替わる会社は特退共をお勧めします。
ただ、上記のように書きはしましたが、企業が「従業員はすぐ辞めるだろうし、特退共にしときます」と言った理由で特退共を選ぶと言うのには若干違和感を感じます。人が短期間に入れ替わってしまうには何かの理由があるように感じてなりません。確かに適応力の低さと言うのもあるでしょうが、それが続くようであれば会社内に何か問題が無いか洗いなおしていただきたいです。