消費税の課税事業者の選択

 icon-question-circle なぜわざわざ課税事業者選択届出書を提出して、課税事業者を選ぶ人が居るのですか?

わざわざ課税事業者を選択して消費税を納めたいなんて変わってるな・・。とお思いになるかも知れません。
確かに納める必要のない税金を納める事を選択しているわけですし変わってますね。

では、なぜそうまでして納税義務者になるか?
多くのケースでは消費税の還付を受ける為に行っています。
消費税は基本的に預った消費税からご自身がお支払いの時に預けた消費税を差しい引いて納税金額を算定します。売上972万(消費税72万)から仕入432万(消費税32万)

72-32の40万円を納めるイメージです。これは売上げや仕入に関わらず、事業として納めた消費税が全て対象になります。

こんな例があるとします。

基準期間の課税売上高は1000万円以下の為来期は納税義務者ではありません。ただし来期は事業所となる建物を建築する事が決定しています。建築費は税込みで3,240万です。来期の売上見込みが前年同様に972万、仕入れも同じで432万。課税事業者を選択すれば納税義務は無いので得をするように感じます。

では課税事業者を選択してみます

売上げに対する消費税72万、仕入れに対する消費税32万、建物建築に対する消費税240万。72-32-240=▲200万です。課税事業者を選択しておけばこの▲分が還付されます。課税事業者になっていないと納税義務もない代わりに還付の権利もありません。

ただし、この課税事業者選択届出書を提出すると2年間は強制適用です。その2年間は課税事業者選択届出書の効力を消すための課税事業者選択不適用届出書を提出する事ができません。

また、この場合において簡易課税制度の選択届をしていた場合は還付は適用されません。
簡易課税は支払った消費税を売上げに業種によって定められたみなし仕入率というのを乗じて算出します。売上げに一定率を掛けて支払った消費税を算出するわけですから必ず納税額が発生してしまいます。
還付を受けようと思う場合は注意して下さい。