利益はあるのにお金が残らない。
利益が出ているにもかかわらずお金が残りません。どういった点に着目すれば良いですか?
「借入金が多い」「経費にならない出費が多い」ということはありませんか? 例えば借入金 借入金の利息は経費になり損益計算書上の利益から減らされていますが、元金はどうでしょう?
元金は単なる借入金と言う負債科目の減少ですので損益計算書上の利益は減りません。 ではどこから減るのか。それは資産勘定の現預金から減ることになります。
見方を変えれば元金の返済と言うのは損益計算書上の利益から返済しているのです。
利益が20万あって借入返済の元金が30万とします。損益計算書上は利益が出ており儲かっているように見えますが、実際の現預金は単純に見て-10万円です・・・・。これではお金が残るはずがありません。借入金の返済が多い方は、まず利益を借入金返済の元金分は確保するようにする事が望ましいと思います。
次に経費にならない出費 代表的な物に固定資産があります。2015年現在は少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例と言う制度があり、30万円未満の少額減価償却資産については決算時に一度に経費にできますが、それ以上の高額な減価償却資産については通常の減価償却を行い分割して経費にする事になります。
30万円以上の固定資産は従来通り減価償却をする事になり一度に経費にする事はできません。30万円以上の現預金は出てしまうが、その年経費にできる金額は耐用年数で案分した金額のみ、という事になります。そうなると損益計算書上の利益は上がりますが、実質利益と対応する現預金は購入金額から減価償却費を引いた分減少した事になり、お金は残らない事になります。ただ、減価償却期間の長い目で見た場合その減価償却が終わる時には利益と現預金金額はほぼ一致する事にはなります。
あとは売掛や手形取引が多い場合、商品を仕入れすぎて在庫過多になっている場合も同様に資金不足に陥ってしまうケースが多いです。黒字なのに資金がないと思われる方はその辺りを見直してみてはいかがでしょうか。